あらすじ
人類は知らない。
文明が一定の段階へ到達した時、宇宙から「試練」が与えられることを。
それは戦争でも災害でもない。
人類そのものの変質。
ある日を境に、一部の人間たちは少しずつ変異を始める。
肉体は強くなり、寿命は延び、知性は加速する。
だが変異は止まらない。
やがて彼らは人類とは異なる存在――エイリアンへと変貌していく。
遥か昔、銀河文明目前まで到達した超文明もまた、この試練によって滅んだ。
進化を受け入れる者。
人類であり続けることを望む者。
文明は分裂し、争いの果てに消滅した。
そして文明最後の日。
一人の少女が未来へ送り出される。
彼女は滅びゆく故郷の記録と、人類が築き上げた知識のすべてを託され、46億年の眠りについた。
目覚めた先は、新たな太陽と新たな人類が生きる世界。
だが、その世界でも再び試練は始まろうとしていた。
彼女だけが知っている。
この変異は病ではない。
進化ですらない。
それは宇宙が知的生命に課す試練であり、文明が銀河へ進む資格を問う選別であることを。
人類は変わるべきなのか。
それとも人類のままでいるべきなのか。
46億年の時を越えて現れた最後の少女は、新たな人類が辿る未来を見届ける。
これは、人類がエイリアンへ変異する運命と向き合うSF叙事詩。
そして、人類とは何かを問い続ける物語である。