あらすじ
魔力最低ランク、実技成績最下位。
王立アルディス魔法学園で“落ちこぼれ”と呼ばれていた少年レイン・アークスには、誰にも理解されない奇妙な感覚があった。
――魔法の詠唱に、“句読点”が見えるのだ。
「火よ、集え」
「風よ、巡れ」
そんな風に、“どこで区切れば魔力が綺麗に流れるか”が、なぜかわかってしまう。
だが魔力量の少ないレインは、その力を評価されることなく学園で埋もれていた。
しかしある日、上級生が起こした“詠唱暴走”を、彼が何気なく修正したことで状況は一変する。
失われた古代魔法文明では、詠唱はただの言葉ではなく、“文法”として扱われていた。
句読点。
改行。
呼吸。
韻律。
現代では失われたその技術を、レインだけが“感覚”として読み取れていたのだ。
学園首席の天才少女セシリア、理論オタクの研究者リズ、実戦最強の上級科主席アルベルト。
周囲が彼の異常性に気づいていく一方で、本人だけは平穏な学園生活を諦めきれずにいた。
だが、古代遺跡、暴走する魔物、そして“読める者”を狙う各国勢力が動き出した時――世界の魔法体系そのものが変わり始める。
これは、“詠唱の句読点”だけが見える落ちこぼれが、失われた魔法文明の真実へ辿り着く物語。