あらすじ
身長がすべてを決める世界。
身長一・八メートル以上の「巨人」が支配し、それ以下の者は搾取される。さらに一・二メートルにも満たない者には、人としての権利すら与えられない。
そんな世界で生まれたリトの身長は、わずか三十センチ。
誰よりも小さく、誰よりも弱いはずだった。
しかし彼には、誰も知らない力があった。
この世界の魔法は、食べたカロリーを燃やして物理法則を操る力。
空気を圧縮し、熱を生み出し、圧力そのものを武器へ変える。
森の奥で家族と静かに暮らしていたリトは、ある日すべてを失い、人間たちの町へと辿り着く。
そこで彼が目にしたのは、「大きさ」だけで価値が決まる理不尽な社会だった。
飢え、虐げられ、考えることさえ奪われた人々。
当たり前のように支配する巨人たち。
だがリトには理解できなかった。
なぜ自分より弱い者が怯えるのか。
なぜ間違った相手に従うのか。
なぜ誰も戦おうとしないのか。
やがて彼は仲間たちと共に、世界そのものに隠された秘密へ近づいていく。
失われた歴史。
封印された真実。
そして、誰も見たことがないはずの――青空。
これは、世界で最も小さな少年が、世界で最も大きな嘘を壊す物語。