あらすじ

青渓村には古くから伝わる言い伝えがあった。 ――金環月食の夜、滝へ近づいてはならない。 ――滝の前の岩に美女が現れ、笛を吹く。 ――その姿を見た者は帰れなくなる。 村長の息子である少年は、その言い伝えを聞いて育った。 十八歳の金環月食の夜、好奇心に負けた彼は禁忌を破り、滝へ向かう。 そこで出会ったのは、息を呑むほど美しい一人の女だった。 彼女は月の世界から追放された女だった。 遠い昔、人間の男と恋に落ちた罪で月へ帰ることを許されず、滝の奥に封じられているのだという。 故郷である月に思いをはせながら そ自分を待ちながら老いて死んだ恋人を思いながら 女は今も笛を吹き続けていた。 いつか月へ想いが届くように。 いつか生まれ変わった恋人が、その音を聞いて帰ってくるようにと。

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小説を読もう2026/06/05
  • 現在の作品滝の向こうの美女は、千年も恋人を待っている