あらすじ

父親の転勤で外国に移住してきた楠本柚は、金銭的にも精神的にも限界を迎えつつあり、手っ取り早く稼げると噂のヒーローリセ(職業訓練校)へと入学することに。 リセとは名ばかりに、追加授業と呼ばれる人体実験の行われるそこでは、素材の人体をヒーロー、英雄と呼んでいる。 実験と引き換えに渡される多額の謝礼金に目の眩んだ過去の学生たちが幾人も命を落としてきたと知っていても、今年も新入生が四人。 ユズ、ルイ、リュドヴィック、クロードは、リセの新入生で、寮で生活を共にすることから始まった関係だった。 姉としての責任感と妹への愛情でこれまで立ってきたユズ。 親殺しの烙印を押され親戚から敬遠されているルイ。 家族と同じ色を持てなかったと、排斥されひとりで生きてきたリュドヴィック。 生みの親にスラムに捨てられ、育ての親からは蔑まれ続けたクロード。 実験は死と隣り合わせで、そうとは思えないほど寮生活は淡々と繰り返されて。 これまで、人間として扱われることのなかった四人が、互いに関わりあいながら少しずつ自分を変形させていくビター系共同生活群像劇。 クロードの父親と、リュドヴィックの家族と、ルイの親戚と、ユズの父親と。 それぞれの確執と向き合って、心を痛めて、体に怪我を負って。 それらの過去は救われることなく、ただ傷にそっとガーゼを貼って今日も立ち上がる。 好きになった人を喪って、手が届きそうになったら全てが崩れて、足場は何度も砕かれて。 人生の問題は何も解決しない。 それでも、生きることをやめない。 そんな、ありふれた話。

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カクヨム
カクヨム2026/06/05
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