あらすじ
「ふにゃあ……。神様、あと、百年だけ寝かせてください……」
青葉高校の屋上へと続く階段の踊り場。そこが、高校2年生の白瀬 紡(しらせ つむぎ)にとっての『まどろみの特等席』。
どこででも寝られる紡の今日のベッドは、古いパイプ椅子に、妹のつむちゃんが初めてのお小遣いを貯めてプレゼントしてくれた宝物――くたくたの「ひつじのクッション」。
午前中の極上のひだまりに包まれて、至福の夢の国へ旅立っていた紡だったが、目を覚ますと、なんと命の次に大事なひつじクッションが消えていた……!?
「紡ちゃんのひつじさんが……誘拐されちゃったの……!?」
普段はマイペースな紡の涙を見過ごせない、お母さんみたいに心配性な生徒会副会長の琴音。
ピアノの下に潜り込んできた紡のマドレーヌに胃袋を掴まれた、ツンデレな1年歌姫の凛。
もこもこのクッションを新種の植物だと勘違い(?)していた、おっとり園芸部部長のエマ先輩。
さらには温室を大暴走する白いポメラニアンまで巻き込んで、無くした宝物を取り戻すための、校内の不器用で愛おしい大冒険が幕を開ける!
一人で閉じこもって眠るだけだった世界から、みんなの優しい温もりに包まれる場所へ。
紡の手作りご飯とお菓子が、不器用な少女たちの歩幅を、新しくて賑やかな色に染めていく――。
【全8章+番外編+コソコソ噂話まで一気に駆け抜ける、ひだまりのように温かい日常の特等席、ここに開幕です】