あらすじ

かつてヨーロッパを飛び回ったベテラン添乗員・宮原正司、六十三歳。
だが時代は変わり、団体旅行の時代は終わろうとしていた。

勤めていた旅行会社の倒産が決まり、彼に残された最後の仕事は――

『昭和の思い出を巡る日本縦断バスツアー』

参加者はわずか七名。

熟年離婚寸前の夫婦。亡き妻を忘れられない元教師。
介護に疲れ果てた女性。

そして、過去を抱えた車椅子の老人――加賀谷。

冬の日本を北から南へ走る旅の中で、乗客たちはそれぞれ人生の「置き忘れ」と向き合っていく。

一方、宮原自身もまた、三十年前にドイツで出会った女性への後悔を胸に秘めていた。
これは単なる観光旅行ではない。

人生に疲れた大人たちが、もう一度“前を向く”ための旅。

昭和の空気を乗せたバスは、今日も静かに走り続ける――。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
アルファポリス
アルファポリス2026/06/05
  • 現在の作品最後の添乗員