あらすじ
《紹介文》
姉は生まれつき障害。私は結婚を選べない同性愛者。だからこそ、お互いを見捨てず、一緒に生きることを選んだ。それが「運命」ではなく、「愛」だと信じたかった。
―それ、本当に君の“選択”だったの?
過去の恋人との決裂、現在のパートナーとの不均衡、そして「責任」という名の戻れない部屋。誰かを守るということは、やがて自分を閉じ込めることでもあった。家族、恋愛、障害、責任、そして自由。
誰もが逃れられない「愛とケアの倫理」を、静かに、そして執拗に問いかける物語。
《あらすじ》
小舘有栖は、生まれつき障害を持つ姉・芽理亜と共に育ち、自身がゲイであることを知ったときから「結婚しない人生」を当然と受け入れ、姉と生きる未来を選択していた。愛する人を持てない代わりに、姉と過ごす日常が人生のすべてだった。
しかし大学時代、完璧で孤独な研究職の男・足立理人と出会い、初めて“家族以外”と未来を描けるかもしれないと思い始める。だが価値観の違いと、家族を捨てられないという有栖の葛藤により、ふたりの関係は破綻する。
数年後、再び誰かを愛したいと願うようになった有栖は、優しく包容力のある恋人と出会う。
芽理亜の存在は、有栖にとって愛であり、同時に逃れられない運命でもあった。誰も傷つけず、誰も見捨てずに、自分の人生を選ぶことはできるのか――
ひとつの“部屋”を舞台に、静かに崩れていく関係と、選び直す勇気を描いた、現代の“家族と孤独”の物語。