あらすじ
白い砂に覆われた終末世界で、俺は人型AIと二人きりで暮らしている。
毒舌で、やたら事実を突きつけてきて、けれど俺を生かすためには妙に真面目な相棒だ。
ある朝、AIの頸部関節に異音が出る。
必要なのは純正オイル。
ついでに食料も水も足りない。
俺たちは酸素マスクをつけ、台車を引いて、廃墟になった街へ出る。
目的は、純正オイルと缶詰を拾って、また家に帰ること。
けれど砂嵐に足止めされた地下室で、俺は失くした恋人・アイの記憶を語り始める。
AIはアイではない。
それでも、AIの中にはアイの記憶が残っている。
これは、終末世界で毒舌AIと暮らす男が、何かを拾い、何かを手放し、もう一度「帰ろう」と言えるようになるまでの話。