あらすじ

大暦年間の唐。 隴西の貧しい書生・李艾は、亡き父に代わって母に育てられながら、科挙による立身出世を夢見て勉学に励んでいた。幼なじみの程琳は宦官として宮中へ入り、二人は離ればなれになるが、文を交わし続ける。 しかし、幾度も科挙に失敗した李艾は、貧困と挫折の中で次第に奇妙な言動を見せ始める。 ある夜、彼は天より金光が降り注ぐのを見たという。 やがて李艾は「天帝から使命を授かった」「泰山へ赴き千年の妖を討つ」と語るようになり、自らを天命の執行者と信じ込む。家中に符を貼り巡らせ、天兵の到来を待ち、医師や家族の言葉にも耳を貸さなくなった。 そしてある日、黄冠羽衣をまとった李艾は、 「功成れば天界へ迎えに来る」 と言い残し、山中へ消える。 彼は狂人となったのか。 それとも本当に天に選ばれたのか。 残された妻子の困窮と、幼なじみの嘆きだけが、その後に残された。 これは、一人の書生の壮志と破滅を記した悲しき伝である。

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小説を読もう2026/06/05
  • 現在の作品隴西李艾傳記