あらすじ

五時十四分。夢のなかで、十年に一度の完璧なアイディアを掴みかけていた。 その一行を引けば、あとは勝手にほどけていく――そう確信した瞬間、窓の外から三人組の怒鳴り声が飛び込んできた。金曜の朝の、駅前の。 目を開けてしまった。手のひらには、もう、なにもなかった。 戻ってこないことを、ゆっくりと確かめながら、わたしの頭は、別のことを考えはじめる。書き出しの一行を探していたときと、まったく同じ集中力で。 外の三人は、まだそこにいる。 ――ちょうどいい。 ある小説家の、明け方の数時間。

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カクヨム
カクヨム2026/06/04
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