あらすじ
高校二年生の相楽裕亮は、音楽を愛するごく普通の少年だった。
義妹の陽香。 幼馴染の奈津実。 学級委員長の秋帆。
大切な人たちに囲まれながら、変わらない毎日を過ごしていたはずだった。
しかしある日、裕亮は重い病に侵されていることを知る。
残された時間は決して長くない。
それでも裕亮は絶望しなかった。
いつもの教室。 いつもの放課後。 友人たちとの何気ない会話。
そんな「普通(あたりまえ)」の日々こそが、自分にとって何より大切なものだと知っていたから。
季節は春から夏へ。
祭り。 海。 文化祭。
限られた時間の中で、彼は一つのピアノ曲を書き始める。
それは大切な人たちへ遺すための旋律だった。
だが、その曲は最後まで完成しなかった。
未完成の楽譜。 残された想い。 そして、受け継がれていく音楽。
これは、一人の少年と三人の少女が過ごしたかけがえのない季節の記録。
別れと喪失の先にある、優しくて切ない青春物語。