あらすじ
かつて世界の終わりを見た男がいた。
数十年の時が流れ、銀河は再び巨大な国家と管理された繁栄の時代を迎えていた。
だが、その繁栄の裏で人々は「考えること」をやめつつあった。
移動共和国《シャーウッド》。
木と真鍮で造られた奇妙な船団国家。
誰にも停止ボタンを握らせないため、あえて非効率を選んだ自由人たちの最後の避難所。
その船団を率いるのは、黒い外套を纏った一人の歴史家だった。
帝国は彼らを危険な反逆者と呼ぶ。
連盟は彼らを時代遅れの亡霊と呼ぶ。
だが彼らは知っている。
どれほど立派な制度も、どれほど強大な国家も、永遠には続かないことを。
これは英雄譚ではない。
世界を救った後に残された人々の物語。
そして、いつか自らの手で「共和国」を終わらせるために旅を続ける自由人たちの年代記である。