あらすじ
死後、異世界転生課の最終受付に現れた黒川誠司は、王族転生、人心掌握、疲労無効、部下運上昇といったチート能力を当然のように申請する。
前世の彼は、数字と成果を盾に部下を追い詰めてきた管理職だった。
しかし最終受付で開かれた前世記録は、彼が残した負荷を淡々と示す。
そして告げられる。
「ご希望のチート申請は、前世の行いにより却下されました」
それでも領地経営の希望だけは、条件付きで通過する。
転生先は、剣と魔法の世界の辺境の村。
与えられた能力は、村民の状態を把握するための「共感統治」。
黒川はそれを、人を管理するための便利な力だと思い込む。
だが、彼の命令で生まれた疲労、痛み、空腹、恐怖は、すべて彼自身の身体へ返ってくる。
これは罰なのか。
それとも、救済なのか。
命令することしか知らなかった男が、初めて「頼む」と言うまでの異世界転生短編。