あらすじ
人間の尺度を拒むヴィンディヤの山々。
猟師ソーナは、飢えた家族のために象を狩り、象牙を売る「業」を背負って生きていた。
ある雨季の朝、彼は霧の奥で、神秘的な琥珀色の牙を持つ老象と出会う。弓を引き絞るソーナ。だが、老象の底知れぬ瞳と対峙した瞬間、彼はどうしても指を離すことができなかった。
言葉なき「猶予の請い」が結んだ、ひとつの奇妙な絆。
歳月が流れ、老いたソーナが密林の深奥で死に直面したとき、山脈が静まり返るほどの、美しくも厳かな儀式が幕を開ける。
奪う者と奪われる者。生と死。そして祈りの物語。