あらすじ

コンビニ夜勤明けのフリーター、風間風磨。 家族も友達も彼女もなく、安アパート二〇三号室でただ日々をやり過ごしていた彼の人生は、ある朝、空から落ちてきた異世界の王女リュシアと頭突きしたことで盛大にバグり始める。 リュシアは、魔王軍に追い詰められたアレマス王国の第一王女。 勇者召喚の儀式によってこの世界へ現れた彼女は、本来なら召喚事故で命を落とし、その死をきっかけに勇者が覚醒するはずだった。 だが、風磨が彼女に頭突きしたことで、その「予定」は外れてしまう。 世界の因果を正そうとする白い仮面の存在――世界修正機構は、予定外に生き残ったリュシアと、記録に存在しない風磨を消そうと追ってくる。 しかし風磨は、中学から乗っているボロいママチャリ、ノイシュバンシュタイン号で逃走。地獄坂、ペットボトル、朝日を背にした謎ジャンプなど、あまりにも不格好な偶然によって世界修正機構の予測を次々と狂わせていく。 やがて風磨は、自分がこの世界の「特異点候補」であることを知る。 特異点とは、世界が予定していた因果に“余白”を作る存在。 勇者でも、魔法使いでも、英雄でもない風磨は、牛丼、ユニクロ、給料日、警察、ママチャリといった現代日本の“普通”を異世界の運命に持ち込み、深刻な悲劇を少しずつ台無しにしていく。 王女として死ぬ覚悟をしていたリュシアは、風磨と出会い、初めて「死ななくてもいい」「朝飯を食べてもいい」「嫌な指輪を外してもいい」「好きな服を選んでもいい」という、予定にない選択肢を知っていく。 一方、風磨の相棒だったノイシュバンシュタイン号もまた、特異点の影響を受けて進化を始める。Ninja仕様の黒と緑のママチャリとなり、やがて物質に命が宿る別世界の法則すら引き寄せていく。 これは、世界を救う気なんてなかった男が、雑で不格好な普通を持ち込むことで、勇者も魔王も世界修正機構も、だんだんやる気を失っていく物語。 世界は深刻に滅びようとしていた。 けれど、風磨が来たせいで、少しずつこう思い始める。 「そこまで予定通りじゃなくても、まあいいか」

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小説を読もう2026/06/04
  • 現在の作品この世界の特異点はオレだった