あらすじ
王国の辺境地の冒険者ギルド――
コナコ冒険者ギルドで受付嬢として働く少女・フィリアは、毎日冒険者たちを笑顔で送り出していた。
「いってらっしゃい」
「おかえりなさい」
何気ない一言。
ただその一言が多くの冒険者達を救っていることをフィリアはまだ知らない。
一方、ギルドには国内最強と名高いSランクパーティ、
戦乙女《ヴァルキリア》が所属している。
“銀髪乙女《アルジェンティア》”と称されるリーダー・イリスは、銀髪の美女にして誰もが憧れる最強の冒険者。しかしその胸には、かつての魔物災害で仲間を守れなかった後悔と、最強ゆえの孤独が深く残っていた。
ある激戦の夜。
壊滅寸前で帰還したイリスは、営業時間の過ぎたギルドで、ひとり灯りを残して待っていたフィリアと出会う。
「――おかえりなさい」
その言葉に、イリスは初めて救われる。
“戦乙女”ではなく、“帰ってきた一人の人間”として迎えられたから。
それ以来、イリスは帰還するたびにフィリアの元を訪れるようになる。
最強の冒険者と、戦えない受付嬢。
本来交わるはずのなかった二人は、互いの孤独と後悔に触れながら、少しずつ惹かれ合っていく。
これは――
命懸けで戦う者たちを送り出し、帰る場所であり続ける少女と、
“帰れる場所”を見つけた最強の戦乙女の物語。
「おかえりなさい」に、想いを込めた百合ファンタジー。