あらすじ

アーベリア王国の王太子レイモンドは、優秀すぎる公爵令嬢ルーミアとの政略婚約に不満を抱いていた。 彼女の本当の価値を理解せぬまま、大勢の貴族の前で婚約破棄を宣言し、自分を慕う別の令嬢を側に置く。最初、レイモンドは軽く考えていた。「文官など、いくらでも補充すればいい」と。 しかし、それが国家瓦解の引き金だった。 ルーミアが去った王宮からは優秀な人材が次々と消え、代わりに汚職と無能が蔓延していく。滞る政務、傾く国庫、失われていく貴族諸侯の信頼――。 かつて誰もが羨んだ王太子の座は、今や誰も欲しがらない呪いの冠へと変わり果てていく。 減ることのない書類の山を前に、レイモンドは力なく椅子にもたれかかった。 ――僕は、どこで間違えたのだろう。 悪意ではなく、ただ「凡庸」であったがゆえに破滅の坂道を転がり落ちる王太子。その先に待ち受ける、あまりにも冷徹な結末とは。

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カクヨム2026/06/04
  • 現在の作品最後の王太子