あらすじ
高校二年の春、退屈だった僕の日常は、ある昼休みに突然終わりを告げた。
屋上で昼寝をしていた僕の顔に、冷たい炭酸ジュースが飛んできたのだ。
驚いて飛び起きた僕に、その女子生徒は満面の笑みで言った。
「やっと見つけた!」
もちろん、僕には彼女のことなんて全く覚えがない。
だけど彼女は、なぜか昔から僕を知っているような顔をしていた。
それから始まったのは、予想もしなかった毎日だった。
放課後の寄り道。
文化祭の準備。
夏祭りの約束。
何気ない会話。
少しずつ増えていく思い出。
気付けば、何も特別じゃなかったはずの高校生活は、二度と忘れられないものになっていた。
だけど僕はまだ知らない。
あの日、彼女が僕を見つけた理由も。
その笑顔の意味も。
そして、いつか卒業の日に胸を張ってこう言うことになる未来も。
「僕の恩人は――。」