あらすじ

想像力には、本来限界があるべきだ。 だが、もしその限界が壊され、人々が自らの想像を現実へと変える力とエネルギーを手にしたなら、世界はどうなるのだろうか。 十三歳の少年、リンは「すたーずせいばー」として村を守っていた。 彼の役目は、人々の邪悪な想像が具現化した存在、「まいんどびる」から村を守ること。 いつものように見回りをしていたその日。 突然、耳を裂くような悲鳴が村中に響き渡った。 リンは反射的に駆け出した。 声のした方へ向かうと、一頭の熊が唸り声を上げながら、小さな家へと迫っているのが見えた。 必死に考え、どうにかその熊を倒したリンは、襲われた家の中へ足を踏み入れる。 そこは暗く、血の匂いに満ちていた。 玄関のすぐ前には、一人の女性が倒れている。 リンは言葉を失った。 そのまま奥へ視線を向ける。 小さな少年が力なく座り込み、切り離された腕を抱き締めていた。 まるで、その腕に前へ進むよう手を引かれているかのように。 「……喜ぶのが早すぎたな」 リンは胸の内でそう呟いた。 やがて彼は自室へ戻り、ベッドへと身を投げ出す。 視界の端に、小さな手紙が映った。 そこには「アレス」とだけ記されている。 師であるアレスのことを思い出したリンは、静かに決意を固めた。 自分一人では守り切れない。 だからこそ、村の子供たちの中から「いまじなー」を育てようと。 そうして彼は、自らの道場を立ち上げた。 それから一週間も経たないうちに。 リンは子供たちを鍛え、共にいくつもの小さな「まいんどびる」を打ち倒していた。 そんなある日、一人の男が街からやって来る。 もしリンに選択を迫られたなら。 仲間たちと共に、この小さな世界を守り続けるのか。 それとも、自らの想像力の可能性をさらに広げ、もっと大きなものを守るために歩み出すのか。 果たして彼は、その答えをすぐに見つけることができるのだろうか。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/06/04
  • 現在の作品想像が能力になったこの世界わ,地獄か楽園? ー相応楽園ー