あらすじ

中学二年の平子正二には、いつも「お兄ちゃん」がいた。優しくて、頼れて、自分より少しだけ年上の、たった一人の兄。父が母を怒鳴る夜も、母が一人で泣く夜も、兄はいつだって、半歩うしろを歩いてくれていた。  ある冬の朝、父が階段下で死んでいた。事故として処理された父の死から数か月、母が書き置きも残さず、黙って家を出ていく。  失踪届を受けて現れたのは、妻を病で亡くしたばかりの長嶋警部だった。父の死の捜査に違和感を抱いていた彼とともに、僕は母の故郷・長崎へ向かう。  母の実家で語られた、ひとつの真実。  兄の名前は、母がかつて長崎で失った、生まれてこなかった子の名前だった──。  抑え込み続けた中学生が辿る、ひとつの罪と、ひとつの理(ことわり)。  心理ミステリー、約七万字。

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カクヨム2026/06/03
  • 現在の作品鏡の理