あらすじ
「《綺麗な薔薇には刺がある》ということわざを知っていますか。ポチ。」
「なんなんですか。いきなり。それぐらい知ってますよ。馬鹿にしないでください。それにポチと呼ぶのはやめてください。オレは犬じゃありませんからね」
「驚愕です。まさかポチがそんなにお利口だとは思いませんでしたよ。」
「どれだけ人を馬鹿にすれば気が済むんですか。それとポチと呼ぶのをやめてください」
「それでは本来的な意見に立ち戻って発言すると、やはりぼくは美しい薔薇なのでしょうね。そうでしょうポチ。」
「オレには刺しか見当たりません。あとポチと呼ぶのをやめてください。
」
「きっと心の綺麗な人にしか私の花は見えないのでしょう。」
「では誰も見れませんね。」
「そういえば私は椿の花が嫌いなんですよ。だってあの花は首がボトリと落ちるように枯れるでしょう。」
そう淡々と語る彼女の顔はいつもと同じように無表情だったけれど、少し悲しそうだった気がした
。
そういう死に方も悪くはないなと思ったけれど、彼女が嫌そうなのでやめておくことにしよう。