あらすじ
一瞬の「残像」を切り取る写真と、重なる時間を描く「色彩」。
綺麗事ではすまないプロの世界で、二人が見つけた愛と覚悟の物語。
フリーランスのイラストレーターとして活動する成瀬 凛(なるせ りん)は、ある日、大怪我を負い、リハビリに励むプロサッカー選手・橘大輝(たちばな だいき)と出会う。
かつて、背番号「10」を背負い、ピッチを華麗に駆けていた面影を失い、泥沼のような絶望の底で足掻く大輝。凛はそんな彼の「これから」を信じ、再び立ち上がる姿をスケッチブックに描き始める。
しかし、二人の前に立ちはだかるプロの世界の圧倒的なリアル。
大輝の過去の栄光を最高の一枚として切り取り続ける天才フォトグラファー・一ノ瀬 蓮(いちのせ れん)の残酷な言葉。
そして、大輝を心配するあまり「あいつの泥沼に人生を全部ベットする覚悟はあるのか」と凛に迫る親友・沙織(さおり)の警告。
圧倒的な才能の「残像」を前に、自分自身の「色彩」を見失いそうになりながらも、凛は客席でペンを握りしめる。
ーー生半可な同情じゃない。覚悟は決めた。
歓声が地鳴りのように響くスタジアム。誰もいない、夕暮れのピッチで、傷だらけの二人が紡ぎ出す、不器用で真っ直ぐな愛の結末とはーー。