あらすじ

# 追憶のローズマリーは二度と香らない 春の風に揺れていた 名もなき庭のローズマリー 誰も見向きもしなかったけれど その香りは静かに王国を支えていた 眩しい光は拍手を集める 豪華な衣装は人の目を奪う けれど根を守る者の姿は いつも土の下に隠れている 踏まれても 忘れられても 黙って大地を耕し続けた手 その手が離れた日 王都の花は色を失い 結界樹は長い眠りについた なぜ枯れたのかと人は叫ぶ なぜ守れなかったのかと責め合う けれど答えは最初から 足元にあった 花は光だけでは咲かない 樹は祈りだけでは育たない 見えない根が水を吸い 見えない土が命を抱く 追憶のローズマリーよ どうか忘れないでほしい 世界を支えているものは いつも静かな場所にあることを そして 失ってから気づいても 戻らないものがあることを 風は今日も吹いている 遠い国の豊かな庭で ローズマリーは青く揺れ 新しい若葉は空へ伸びる もう振り返らない もう嘆かない 過去は香りとなって残り 未来は花となって咲いていく 追憶のローズマリーは 二度とあの日には香らない けれどその香りは今も 幸せになった誰かの庭で 優しく生き続けている

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小説を読もう2026/06/04
  • 現在の作品『追憶のローズマリーは二度と香らない ~結界樹を育てた庭師令嬢は追放され、三日後に王都は枯れ果てる~』