あらすじ
「もしも、あの時別の道を選んでいたら――」
うだつの上がらない事務職の青年・朝比奈樹は、雨の日の路地裏で、自分が選ばなかった人生が本として収蔵されている不思議な図書館に迷い込む。そこにあったのは、音楽の夢を叶え、スターとして輝く自分の人生が描かれた本だった。甘美な「もしもの世界」に溺れる樹。しかし、その本を読み進めるうちに、現実の彼の存在が少しずつ薄れ始めていく。
選ばなかった華やかな過去か、それとも不格好な現在か。彼が最後に選んだ「現実」とは。
ラストの1行で、世界のすべてが反転する。