あらすじ
魔力ゼロ、落第。それでも彼は、誰にも視えぬものを視る――。
大陸でもっとも魔力の薄い辺境の村で生まれたセイル・ロウラントは、「視る石みたいな子」と気味悪がられて育った。肌の奥がざわつき、土地の異変を、石の奥の気配を、勝手に感じ取ってしまう。村ではただの厄介な質。だがある夜、村はずれの古い石がひとりでに灯り、その光の奥を視たことで、彼の世界は静かに崩れ始める。
中央へ。学問の都テオレマ、そびえ立つ中央大魔法院。魔力を流せぬセイルは、入学評価で「測れぬものは、無いに等しい」と落第を告げられる。だが彼の「視る」力は、量の天才すら届かぬ最強領域――竜級の流れを、直に視抜いてしまう。
測れぬ才を、学問は道具に変え、神秘は器に祭り上げようとする。誰一人、ただの「セイル」を見てはくれない。最弱の眼を持つ少年は、学問と神秘の狭間で、自分が何者なのかを問い始める。
最弱が、最強を射抜く。異能と孤独の異世界ファンタジー。