あらすじ
「うわ、配線汚いな……。そんな高電圧(パワー)かけたら自滅するよ?」
実家が誇る10万W(パワー)は、ただの恥ずかしいタコ足配線。
中身46歳の頑固職人が、5Wの省エネ(JIS規格)で世界を完璧に調和させる、不器用で最高に丁寧な異世界大開拓!
【ストーリー紹介】
帝国屈指の軍事技術名門マツシーータ伯爵家。
その長男コウノスは、15歳の成人儀式で「出力わずか5W」という前代未聞の無能の烙印を押され、魔導ノイズ渦巻く『死の大地』へと追放された。
だが、脳筋な実家の連中は誰も知らなかった。
コウノスの正体が、前世で人間の理不尽なシステムにすべてを奪われ、孤独に死んだ31歳の秋葉原のジャンク屋店員――国家資格『電子回路接続技能士』を持つ、はんだ付けの神様だったことを。
そして、コウノスの「5W」という出力は無能などではなく、体内の全魔力が「魔力をミリ単位で接続・変圧・制御する」ことに特化した、母親譲りの天才の証明(定格制御)だったのだ。
人間に否定され続けた前世。
「ゴミ(ジャンク)だけが、僕を否定しなかった」
その切実な魂を胸に、コウノスは死の大地に転がっている古代の廃家電(聖遺物)たちを次々とハッキング&修理(デバッグ)していく。
エアコンを起動して「室温24度・湿度45%」の快適空間を作り、自動掃除機を最強の防衛ルンバに改造。
「人と喋りたくない」という後ろ向きな欲望のために、彼は誰も介入できない完璧な引きこもり要塞(アキハバラ)を築き上げていく。
だが、その圧倒的な「調和(システム)」のぬくもりは、過電圧の世界で傷ついた人々の魂を次々と救い、狂わせていくことに――。
ノイズで脳を破壊されかけていたエルフの少女リィン。
過剰な期待(負荷)に潰されそうになっていた帝国最高峰の天才令嬢アイリス。
そして、ネット通販(魔導Amazon)を開通させた画面の向こうには、前世の秋葉原時代、唯一自分の世界を肯定してくれた「あの少女(商会の令嬢)」の姿まであって……!?
「万策尽きたなんて言うな。成功するところまで続ければ、それは成功になる」
口を開けばボソボソ早口の陰キャ。だが、彼のはんだごてが紡ぐ回路は、国家を、そして世界を美しく変革していく。
過負荷(タコ足配線)で勝手に大爆発していく実家を横目に、5Wの魔導職人が最高の「丁寧な暮らし」を証明する、至高の技術無双、ここに駆動!