あらすじ
「もう君には飽きた」——五年間尽くした婚約者・蓮司に、同期の女と浮気された挙句、捨てられた柚月。貯金三百万円を彼の起業に注ぎ込み、自分のキャリアも友人関係も犠牲にしてきたのに、返ってきたのは「重い」「息が詰まる」という言葉だけだった。
会社を辞め、逃げるように東京を離れた柚月が向かったのは、亡き祖母が遺した長野の小さな野いちご農園。荒れ果てた畑、ゼロからの再出発。都会育ちの彼女に農業なんてできるのか? 周囲の冷たい視線の中、それでも柚月は立ち上がることを決意する。
そんな彼女の前に現れたのは、無愛想だけど不器用に優しい青年・凪。彼との出会いが、柚月の人生を少しずつ変えていく。
野いちごが実り、農園が軌道に乗り始めた頃——破産した蓮司が「やり直そう」と泣きついてきた。
でも、もう遅い。
私はもう、あの頃の私じゃない。そして隣には、私を本当に理解してくれる人がいるから。
傷ついた心が再生していく、田舎スローライフ×再起の物語。