あらすじ
「これは呪い。だから、消せる」――そう信じていた。
精霊から無限の魔力を借り、願うだけで新たな魔法を生む本能の天才・アイリス。彼女の生んだ無秩序な術式を、誰もが使える形に定式化できる唯一の理論家・セシリア。二人で一つの天才と称される親友同士だった。
ある日、アイリスに焦がれる公爵令嬢ロザリンドが、二人を引き裂くため禁断の魔導具を放つ。だがその光は「友愛を欲情に変える」呪い。深い絆を持つ者ほど強く効く――つまり撃てば撃つほど、アイリスとセシリアは惹かれ合ってしまう。
呪いと知りながら、抗うほど近づく二人。やがてセシリアは解呪式を組むが、術は決して起動しない。アイリスの本能が、この恋を手放すことを拒んでいるから。
これは呪いなのか。それとも、撃たれるより前から、そこにあった想いなのか。本能の天才と理性の聖女が、自らの魔法《ルーメン・ウェルム》で「ほんもの」を照らし出すまでの物語。