あらすじ
地底に、街がある。
地上の人間は知らない。太陽の光が届かないその場所に、何万もの人間が暮らしていることを。岩盤に守られた闇の中に、街があり、学校があり、市場があり、笑い声があることを。
この街では、魔法が全てを決める。
五歳になった子どもは石のピアスをつける。耳に触れた石は血を吸い、その者が持つ魔法の力を色として映し出す。その色がランクだ。ランクが仕事を決め、住む場所を決め、誰と友になれるかを決める。生まれた瞬間から、人生の輪郭はほぼ決まっている。
おかしいと思う者はいない。ずっとそういうものだったから。