あらすじ
「世界で俺にしか見えない君は、もう、この世界のどこにもいない――」
大学3年生の一ノ瀬はとりは、最推しアイドル・YUKIこと有栖川雪海の解散ライブを見届け、感謝と寂しさのあまりやけ酒を煽って救急搬送されてしまう。
翌夕、病院のロビーで一瞬、引退したはずの雪海とロマンチックに目が合う。
だが「オタクの妄想」と自分に言い聞かせ帰宅したはとりを待っていたのは、テレビから流れる『有栖川雪海、自宅マンションで死亡』という、世界の底が抜けるような絶望のニュース速報だった。
完全に心を圧殺され、呆然と立ち尽くすはとり。
だが、振り返ると、そこには身体がうっすら透けた雪海の幽霊がいた!?
しかも彼女は生前の記憶が丸ごと抜けており、ただの超マイペースでずぼらな「おてんば娘」で――!?
隣に住む嫉妬深い幼馴染や、酒好きの女友達、バイト先の愛妻家店長など、周囲の人間を巻き込んだ不思議な共同生活が突如として始まった!!
しかし、お気楽に見える雪海の胸の奥には、「未練」が眠っていた。
「ねえはとり?私――本当に、ただの事故で死んじゃったのかな?」
ネットの海に残された最後のブログの矛盾。
解散ライブ直前の不審な動向。
周囲の人間関係を巻き込みながら生前の足跡を辿るうち、華やかなアイドルの裏に隠された、ある『悪意』の存在へと近づいていく――。
手のかかる妹のようで、誰よりも愛しい、触れられない推し。
彼女を救う唯一の方法は、俺の手でその死の真相を暴き、成仏させること。
ただの大学生と記憶喪失のマイペース幽霊が紡ぐ、切なさ120%の緊迫バディミステリー、開幕!