あらすじ
ある日、見知らぬ令嬢が診察室に現れた。
そして、三日後にあなたは破滅すると告げた。
会ったこともない娘の、奇妙な予言だった。
けれど、その予言は当たらなかった。
三日が過ぎても、何も起きはしない。
シグリは、ただの戯言だと思っていた。
シグリは、人の体を誰より正確に読む治癒術士だ。
痛みも、嘘も、症状のように見抜いてしまう。
そんな彼女が、予言を告げた娘を、患者のように見つめはじめる。
予言は外れ続け、それでも娘は引き下がらない。
やがて、シグリの周りで、おかしなことが起こりだす。
身に覚えのない疑いが、静かに彼女を追いつめていく。
他人の心はわかるのに、自分の胸の内だけはわからない。
治療院に通う不器用な騎士の前で、シグリの鼓動は乱れる。
その症状の名前を、彼女はまだ取り違えたままだ。
なぜ、初対面の娘は自分を知っていたのか。
当たらない予言は、いったい何だったのか。
その答えを確かめずには、もういられない。