あらすじ
「神様はね、ピクセルの隙間にいるんだよ」
病弱な弟・春灯は、型落ちのスマートグラスをかけて、よくそんなことを言っていた。
KMR――Kamisama Mixed Reality。
それは、現実と仮想現実が混ざり合った世界で、神様を探すゲームアプリ。
姉の燈里にとって、それは春灯が夢中になっている、少しださいだけのゲームだった。
スマートグラスも、通知音も、神様探しも。
どれも、ありふれた日常の中にあるものだった。
失くしたものを、失くしたままにする神様。
落ちるものを、ゆっくりにしてくれる神様。
見えないものを、見えないまま守ってくれる神様。
春灯が見ていた世界には、燈里がまだ知らないものがあった。
これは、だっさいスマートグラスの向こう側にいた神様と、見えていたはずなのに見落としていたものを探す物語。
――たかがゲーム。
けれどそこにはたしかに、神様がいた。
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