あらすじ

2027年5月5日未明。大規模電磁パルス事象「皐月事変」は、日本社会の「一致する能力」を破壊した。 停電ではない。物流が裂け、記録が食い違い、人々は互いへ到達できなくなった。 軍隊化は、熱狂の中では始まらなかった。 給水車が来るから、受け入れた。 港が止まると困るから、目を瞑った。憲法論より先に、水が必要だった。 そして「暫定」と呼ばれた措置は、十三年が経っても終わらなかった。 誰も開戦を宣言しなかった。 それでも海は、静かに戦場へ戻った。 2040年現在、地方記者・逢場学は問う。 あの選択は、本当に必要だったのか。 我々は何を失い、何を諦め、何を次世代へ渡してしまったのか。 残されたのは、完全ではない断片だ。 食い違い、抜け落ち、濡れた紙の記録だ。 それでも残さなければ、消える。 記録は継続される。

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カクヨム
カクヨム2026/06/02
  • 現在の作品日本の変化に想う