あらすじ
深夜営業の小さな洋食店「キッチン・ミナト」。
仕事を辞め、夢も居場所も失いかけていた二十七歳の青年・瀬尾悠真は、偶然入ったその店で“人生で一番うまいオムライス”に出会う。
店主の老料理人・湊源三は、客の心に合わせた料理を作る変わり者だった。
失恋したOLには甘いハヤシライスを。
父親と喧嘩した高校生には焦げ目の強いナポリタンを。
そして悠真には、半熟卵が揺れるオムライスを。
料理を通して人の心を救う源三の姿に、悠真は次第に惹かれていく。
しかしある夜、店の立ち退き問題が持ち上がる。
常連たちは店を守ろうと動き出すが、源三はなぜか抵抗しようとしなかった。
「料理は場所じゃなく、人の記憶に残るもんだ」
閉店まで残された七日間。
悠真は最後の営業を手伝いながら、自分自身の“本当に作りたい人生”を見つけていく――。