あらすじ

笑いながら嘘をつく男が、いた。

仕事で組んだだけの相手。
会えば軽口ばかりで、何も教えてくれない。
こちらの話を聞くくせに、自分の話はしない。

それなのに。

気づいたときには、もう遅かった。

三十二歳にもなって、
年下に、完全に振り回されている。

「榛名さんって、俺のことどう思ってます?」

「仕事相手だ」

「それだけ?」

「それだけだ」

嘘だった。


登場人物

榛名 壮(はるな そう・32歳)
大手出版社の雑誌編集者。仕事は速くて正確。感情を表に出さない。他人の気持ちを読むのが職業なのに、自分のことだけは最後まで気づかないふりをする。煙草は三年前にやめた。追い詰められると「煙草を買ってくる」と言って外に出るが、買わずに帰ってくる。

瀬尾 光(せお ひかる・28歳)
フリーカメラマン。飄々としていて軽い印象だが、レンズの向こうでは人の本質を見ている。嘘をつくのが上手い。ただし嘘をつくときだけ笑い方が変わる。それに気づいているのは今のところ一人だけで、そのことが少しだけ不愉快でもあり、どうしようもなく嬉しくもある。面倒臭い一面がある。

青木 茉莉(あおき まり・31歳)
榛名の同僚編集者。三年付き合った相手と半年前に別れた。自分の恋愛の失敗を棚に上げて、榛名の状況に口を出したくてたまらない。榛名に「余計なことを言うな」と言われるのが半ば習慣になっている。

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アルファポリス
アルファポリス2026/06/02
  • 現在の作品お前が先に、俺を好きになるな