あらすじ
死体の傍から、遺品を拾って生きてきた。
それが、遺品回収屋――黒瀬航の仕事だった。
毎日更新される遺族依頼一覧を確認し、
一週間分の保存食を回収袋へ詰め込み、
今日もダンジョンへ潜る。
死因を調べる。
遺品を拾う。
遺族へ返す。
そして、見つけた遺体は腐敗防止袋へ押し込み、
魔物に喰われない場所へ隠し、死体搬送班へ位置情報を送る。
そんな日陰仕事のはずだった。
だがある日。
人気探索クランとSランク勇者が全滅した現場で、
航は神話級装備《死者の帳簿》を拾ってしまう。
死者の記憶を閲覧する力。
危険を察知する力。
そして、自分の影が勝手に戦う禁忌の遺物。
その瞬間、神話級反応は世界中へ拡散。
ダンジョン内では、殺しも強奪も珍しくない。
気づけば航は、探索者ギルド、企業クラン、
配信者たちから狙われる賞金首になっていた。
そんな航の前へ最初に現れたのは、
誰よりも深層を知り、
誰よりも最下層を目指す最強探索者・白峰凛だった。
死者の記録を辿る遺品回収屋。
失われたものを追い続ける女剣士。
二人がダンジョン深層で辿り着くのは、世界が隠した真実か。
それとも、死者だけが知る記録か。
これは、死者の遺品拾いで生きてきた青年が、
死者の記録を辿り、世界の深層へ潜る物語。