あらすじ
東京の大学で報道を志した日巡(ひよし)シュンは、夢に破れ、逃げるように関西の故郷へ帰ってきた。
彼が夜の店番をするのは、実家が営む「ひよしドライブイン」。
色褪せた看板、胡散臭いクレーンゲーム、そして熱々のチープなうどんを出すレトロ自販機が並ぶ、絶滅危惧種のたまり場だ。
プライドの高さと地元の人間にバレたくない気まずさから、表には出ようとしないシュン。
だが、深夜に響き渡るVTECエンジンの爆音と共に現れた一人の客に見つかってしまうのに、そう時間はかからなかった。
「シュンやん。いつ帰ってきてん」
木立(こだち)アユミ。
愛車シビックを乗り回す彼女は、過去にネグレクトを受けていた境遇の中でシュンと「自販機うどん」を分け合った、ヤンキー気質の幼馴染だった。
『ウチは自販機がええ。帰れとか、かわいそうやとか言わへんから』
飾らない関西弁とありふれた出汁の匂いに、シュンの止まっていた時間は少しずつ動き始める――。
深夜のドライブインに集うワケありの客たちと、不器用な幼馴染。
夢に敗れた青年がもう一度前を向くまでを描く、泥臭くて温かい真夜中のヒューマンドラマ。
※おおよそ3日に1回程度の更新となります