あらすじ
事業に失敗し、多額の借金を抱えた男は、自ら人生に幕を下ろすことを決意する。
向かった先は、富士の樹海。
深い森の奥へ進む中で、男は一軒の小さな本屋を見つけた。
あり得ない場所に建つ、不思議な本屋。
そこにいた若い女性店員は、男を見るなりこう言った。
「ここに並んでいる本の中に、きっとあなたがこうありたいと思う物語がありますよ」
勧められるまま一冊の本を開いた男は、失ったはずの家族や仲間たちと再会する。
温かい家庭。
信頼できる友人。
かつて望んでいた人生。
しかし、その世界にはどこか不思議な違和感があった――。
人生に疲れた男と、森の奥に現れる不思議な本屋。
少し切なく、少し優しい幻想文学短編。