あらすじ
公爵令嬢リディア・グレイヴローズは、身に覚えのない罪で断罪され、ギロチンで首を落とされた。
王太子に見捨てられ、聖女に微笑まれ、民衆に罵られながら死んだ――はずだった。
次に目覚めた場所は、現代日本の寂れた遊園地。
しかも、首がない。
声も出せず、顔も見せられず、現代常識もないリディアを拾った若き園長は、祖父の手帳に残された言葉に従い、彼女を不人気マスコット「黒羊姫メルメリア」の着ぐるみに入れる。
ところがリディアは、首なしデュラハンとして覚醒していた。
彼女には、死に近い人や、心が壊れかけた人に絡みつく「死の糸」が見える。
迷子の子ども。
家に帰れない少女。
過労で倒れかけた会社員。
炎上で夢を失いかけたアイドル。
画面の向こうで人生を諦めかけた視聴者。
かつて誰にも救われず処刑された悪役令嬢は、今度は誰かを救うため、もふもふの着ぐるみ姿で現代日本を歩き出す。
昼は遊園地の着ぐるみキャスト。
夜は人助け配信でバズるVTuber。
そして彼女が現代で感謝されるほど、彼女を処刑した異世界の王国は、魔力と政務を失い、勝手に詰み始めて――?
首はないけれど、助けたい人はいる。
これは、悪役と呼ばれた少女が、処刑後の世界で新しい役を選ぶ物語。
※処刑シーンがあるため念のため残酷描写有りをつけていますが、そこだけです。