あらすじ

生まれたときから暗闇しか知らない一本のもやし。 光を見たこともない。 空を見たこともない。 風を感じたこともない。 それでも身体は知っていた。 どこかに光があることを。 だから伸びる。 理由も分からず、 答えも分からず、 ただ上へ。 周りのもやしたちも同じだった。 誰も光を見たことがないのに、 誰もが光を信じている。 ある者は疑い、 ある者は諦め、 ある者は最後まで伸び続ける。 やがて彼らは暗闇から外へ出される。 そこで初めて知る。 自分たちは花になるために育ったのではなく、 果実を実らせるために育ったのでもなく、 食べられるために育てられた存在だったことを。 長い時間をかけて求めた光は、 想像していたものとは違っていた。 それでも最後に、一人の人間の食卓で気づく。 光とは空のことではなかったのかもしれない。 誰かの命を支え、 誰かの明日になること。 それもまた、ひとつの光だったのだと。

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小説を読もう2026/06/02
  • 現在の作品『光を知らない芽』