あらすじ
古い噂が残る町、影見町。
この町では昔から、
影がおかしくなることがあると言われている。
影が消える。
影が増える。
そして時々、影が人を選ぶ。
これは、そんな影見町で起きた
数多くの怪異の記録のひとつである。
ある日の放課後。
忘れ物を取りに、誰もいない学校へ戻った一人の生徒は
夕暮れの校庭で転校生の姿を見かける。
沈みかけた夕日が長い影を作っていた。
だが、生徒は気づく。
その転校生には影がなかった。
翌日、聞いたのは
影見町に古くから残る奇妙な話。
影をなくした人間は
やがて影に連れていかれる。
ただの噂だと思っていた。
しかしその日の放課後、
足元に伸びる影を見たとき――
影は二つに増えていた。
そして夕日が沈んだとき、
影は一つだけ残った。
それが
誰の影なのかは分からない。