あらすじ
勇者パーティーで鑑定士を務めていたレインは、戦闘で役に立たないという理由で、魔王討伐の直前に追放されてしまう。
武器の異常、呪具の危険、魔物の弱点。
これまで仲間たちが無事に戦えていたのは、レインが誰にも気づかれないところで危険を見抜いていたからだった。
しかし勇者カイルたちは、その価値を理解しないまま彼を切り捨てる。
行き場を失ったレインがたどり着いたのは、地図にもほとんど載っていない辺境の廃村エルネ。
そこで彼は、記憶を失った少女ミラと出会う。
村の井戸を鑑定したレインは、自分のスキルがただ物の価値を見るだけではなく、物や土地に刻まれた過去まで読み取れる力だと知る。
井戸、石碑、古い農具、地下に眠る遺跡。
そこには、百年前に王国によって消された小国ルミナリアの真実が残されていた。
レインはミラと共に廃村を立て直していく。
元傭兵のガルド、王都から逃げてきた薬師セラ、古代魔導具ノル。
行き場を失った者たちが集まり、廃村は少しずつ人の暮らせる場所へと変わっていく。
一方、レインを追放した勇者パーティーは、彼を失ったことで呪具や罠を見抜けず、少しずつ崩壊していく。
やがて彼らは、魔王討伐そのものに隠された王国の陰謀へ巻き込まれていく。
魔王は本当に世界を滅ぼす存在なのか。
ミラの失われた記憶は何を意味するのか。
そして、王国が百年間隠し続けてきた罪とは何なのか。
役立たずと笑われた鑑定士は、辺境の廃村を復興しながら、やがて世界の嘘を見抜いていく。
これは、追放された青年が自分の価値を取り戻し、失われた者たちの居場所を作る物語。