あらすじ
ポストの奥から見つかった、五通の白い封筒。
差出人は、かつて同じ故郷にいたらしい女性、白瀬透子。
丁寧な言葉で綴られた手紙は、懐かしい記憶から始まり、やがて彼女の「不快な音」への過敏さ、静けさへの執着、そしてある出来事をほのめかしていく。
彼女は繰り返す。
返信は不要です、と。
しかし、読み進めるうちに、その言葉が配慮ではないことに気づく。
返事をしないこと。捨てずに読むこと。次の封筒を開けること。黙っていること。
そのすべてを、白瀬は「返事」として受け取っていた。
これは、読んだだけで関係を成立させられる手紙。
沈黙を同意に変えられてしまう、書簡ホラー。