あらすじ
伯爵令嬢クラリスは、王宮香房で誓約式に使う香を調合する誓香調合師。香は飾りではない。本人の呼気、体質、同意、香材の許諾を合わせ、誓香炉の煙紋が澄んで初めて、王家の誓いは成立する。
ところが婚約者オルヴィンは「香りなど誰が焚いても同じだ」と言い、新しい恋人フィオナのためにクラリスの花嫁香を流用しようとする。
クラリスは調合と乾香庫の鍵の引き渡しを拒み、香礼監査官レオンへ届け出る。公開誓香式の日、偽りの香は黒く濁り、軽んじられた香房の仕事が二人の不正を明らかにしていく。
香りを混ぜるだけと笑われた令嬢が、自分の名で誓香を焚き、澄んだ未来を選ぶ職能ざまぁ異世界恋愛。