あらすじ
異世界(魔界)に迷い込んだ、狂気的なまでに深海魚を愛する研究者、ユーガ・ヴェルヌ。
彼にチート魔法や聖剣など必要ない。必要なのは、極限状況を生き抜くサバイバル技能と、相棒たる深海生物たちを記した『深海生物大図鑑』だけだ。
敵がファンタジーの常識で襲い来るなら、こちらは「現実の科学」と「生物の機能美」でねじ伏せる。
微小吸盤の強制排気による【絶対真空(コウモリダコ)】。
大気攪拌と生体発電が引き起こす【人工気象災害(フウセンクラゲ×メクラシビレエイ)】。
空間ごと敵の痕跡を喰らい尽くす【完全捕食台風(深海暴食部隊)】。
魔界の高濃度マナと、ユーガの冷徹な指揮によって引き出された深海生物たちの「過剰進化」。その紫色の眼光が灯る時、魔法という未開の現象は、熱力学や気象学に基づく「純然たる物理災害」の前にひれ伏すことになる。
「見事な働きじゃ。……さて、大掃除といこうか」
これは、誇り高きオオヤシマの海の男が、深海の浪漫と圧倒的な科学的ロジックで魔界の脅威を排除していく、冷徹でハードボイルドなサバイバルファンタジー。