あらすじ

高校2年生の日野宮瑞樹(ひのみや みずき)は、美術品修復師の祖父に育てられた変わり種だ。幼い頃から「本物と偽物を見極める目」を叩き込まれ、人の嘘や感情の綻びが、まるで絵の具の剥がれのように見えてしまう。友達の「大丈夫だよ」という言葉の裏に潜む本音。先生の「公平に評価する」という宣言に滲む偏り。クラスメイトの笑顔に塗り重ねられた孤独。それらが全部、見えすぎて——瑞樹はずっと、人間関係が苦手だった。そんな彼女が入部させられたのは、学校の「骨董研究部」。顧問は曰くつきの美術教師、部員は問題児ばかり。しかもよりによって同じ部に、転校してきたばかりで学校中の女子が騒ぎ立てるイケメン・白石秋也(しらいし しゅうや)がいた。「あなた、何かを隠してる」初対面でそう言ってしまったのが、全ての始まりだった。秋也の過去には、ある美術品にまつわる事件がある。瑞樹の「鑑定眼」が暴いた真実は、彼の傷に触れていく。同時に——見えすぎるはずの瑞樹には、なぜか秋也の本心だけが、うまく「読めない」。鑑定士として生きてきた少女が、生まれて初めて「答えの出ない謎」と向き合う。その謎の名前は、たぶん「恋」という。

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小説を読もう2026/06/02
  • 現在の作品毒舌鑑定士は、恋の正体を知らない