あらすじ
高校2年生の松本菊依(きくえ)は、4年前に突然姿を消した幼馴染・銀也のことを忘れられずにいた。
「ごめんな」
それだけを残して去った彼は、もう二度と会えないと思っていたのに――。
春の日。
駅前で偶然再会した銀也は、昔と変わらない笑顔で言った。
「誰かと思たら、キクか」
懐かしい声に胸が高鳴る。
けれど彼は、どこか他人行儀だった。
「ただの昔馴染みや」
そう言って距離を置くくせに、放課後には迎えに来る。
困っていれば助けてくれる。
他の男が近づけば、優しい笑顔の奥に見たことのない顔を覗かせる。
まるで特別みたいに接するのに、
肝心なことだけは何一つ教えてくれない。
なぜ、あの日いなくなったのか。
なぜ、今になって帰ってきたのか。
銀也が隠し続ける「嘘」が明らかになったとき、
菊依は彼が背負っていた孤独を知ることになる。
これは、
幼馴染に捨てられたと思っていた女の子と、
彼女を守るために嘘をつき続けた男の、
切なくて、甘くて、ときどき危険な再会ラブストーリー。