あらすじ
中学一年から引きこもりの白瀬伊織は、女性向けAIAVを作って生活している。
母の「もう一度恋愛してみたかったな」という言葉をきっかけに、伊織は“誰も傷つけない恋”を作り始めた。
画面の中の男たちは、いつも優しく、伊織の思い通りだった。
そんな伊織が次に目をつけたのは、女性向けAV界のNo.1男優・黒宮遼雅。
黒宮をAI化できれば、自分の作品は次の段階へ進める。
そう考えていたはずなのに、実際に出会った黒宮は、伊織の想像よりずっと生々しくて、怖くて、そして優しかった。
黒宮の声、間、視線、触れる前に待つ手。
そのすべてが、伊織の作る“安全な恋”を少しずつ壊していく。
画面の中なら怖くなかった。
AIなら、傷つかずに済むはずだった。
けれど伊織は、いつしか黒宮を生成することではなく、黒宮本人に会いたいと思い始める。
恋を作っていた青年が、本物の恋を知るまでの、不器用で静かなラブストーリー。