あらすじ
王宮魔術師団に所属する若き天才、リアム。
彼は平民出身という壁を自らの才能で乗り越えながらも、ある「誰にも言えない秘密」を抱えていた。
自分がオメガ(Ω)であるということ。
その事実を隠し、強い副作用を伴う抑制剤を飲み続けることで、彼は無味乾燥なベータ(β)として孤独に生きていた。
しかしある夜、王宮を揺るがす魔力暴走が発生する。
暴走を食い止めるために奔走するリアムの前に現れたのは、強大な力を持つアルファ(α)の騎士団長、アーサーだった。
「状況を報告しろ」
耳を震わせる低い声と、雨上がりの森を思わせる冷涼なフェロモン。
それを浴びた瞬間、リアムの体内で抑え込んでいたはずの発情の予兆が疼き出す。
合同捜査、重なる過密スケジュール、そして近づく強大すぎるアルファ。
ついに抑制剤が切れ、執務室に夜蝶蘭のような甘い香りが満ちてしまった時、アーサーが扉を開け放った。
「誰にも君を追放などさせるものか。私が君を制御する」
薬に頼るのではなく、彼の香りに身を委ね、甘く支配される歪な契約。
孤独だった魔術師と、内に秘めた独占欲に抗う騎士。
運命の香りが導く、二人の真実の終着点とは。
※この作品には、性的描写、暴力描写、残酷描写などの表現が含まれていますのでR18とさせて頂きます。
【登場人物紹介】
◇リアム
王宮魔術師団に所属する若き天才魔術師。
平民の出でありながら類まれな才能を持つ。
自らがΩであることを隠し、薬で体質を抑え込んでβとして生活している。
冷静で真面目な性格だが、誰にも言えない秘密を抱えて孤独を感じている。
◇アーサー
王宮騎士団長を務める高位貴族の青年。
優秀なαであり、剣の腕も指揮能力も卓越している。
周囲からの期待に応える完璧な騎士として振る舞っているが、内心ではα特有の闘争本能や支配欲に飲み込まれることを恐れている。